2006年 05月 25日 ( 1 )

階段の少年

 昨日のこと、仕事を終えて疲れて帰ってくると、マンションの1階、階段に青い服を着た男性らしき人影が座り込んでいた。顔を伏せて、スーツ様の服を着ているようだが、襟を立てて丸まるような姿勢だった。近づいていくとどうやら制服を来た男子中高生のようであった。
 昨今のニュースで伝えられる事件のこともある。放置は出来ない。
 かといって、声を掛けるというのも結構度胸のいるものだ。

 「今世間が求めているのは嫌われるオヤジだ」
 「無関心はだめ。口やかましい隣人が必要だ」

 そんなワイドショーのコメンテーターの文言を思い浮かべながら、近づいた。そういえば今年度はマンションの理事になるのだった。

 「君!どうしたんや!」
 
 すらりと上手く言えたと思う。すると、その少年は顔を上げた。バツの悪そうな、しかしさわやかな笑顔をしていた。
 
 「いえ。あの、友達を待っているだけです」

 答えた言葉の裏側に

 『ほら。こんなとこで待たされるから、声かけられたやろ。物騒な事件が起こってるんやから、ええかげんにして欲しいわ』

 そんなメッセージがあった。
 そうか君もニュースを意識してるのか。

 「大変やね」

 私も笑って、来たエレベーターに乗る。頑固オヤジになり損ねた?
by garyoan | 2006-05-25 15:55 | 酔郷から