案の定、きつい登り差し掛かる。ゆっくりともがきながら高度を上げていく。西南稜との出会いで一気に展望も開ける。
西南稜が懐かしい。昔、なんどもここを歩いた。雪の中は特に感動した。山火事で焦げ果ててしまった姿に憤ったこともあった。私の経験内で関西で一番美しい尾根はと訪ねられたら、ためらいなく「武奈ケ岳西南稜」と答えるだろう。 だが、残念ながら、ガスのせいで視界は短い。 元々、比良山系特に武奈と私は相性が悪いようで、爽快な晴れ間を経験したことは少ない。ふられ続けても、比良には足が向く。「良い女」のような魅力がある。頂上や稜線からの展望が悪くても、ブナの林、ガレバ、水の流れ・・・。たまらない楽しみがある。 また、ありがたいこと武奈ケ岳は日本百名山に入ってない。軽薄な百名山ハンターがわんさか押し寄せないのも魅力のひとつだ。 武奈の山頂も見えて来る。この姿は変わらない。私は歳とってもたもた登って行く。 山頂にはほぼ正午着。予想通り風が強い。天気は良好。頂上周辺は問題ないが、やはりガスが遠くの視界をさまたげる。 琵琶湖への展望も不良。風が吹いて、「もう少しか」と思うと、またガスが来る。ここらへんも性悪女の風格か(笑)。 地蔵さんも変わらない。ずっと、湖を見渡している。仏の慧眼なら、ガスも関係ないのかもしれない。 (まだ続く)
by garyoan
| 2006-07-22 18:09
| 私はやせる
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