モルモン教徒沼野治郎の話題の続きである。沼野は昨年ユタで行われた「モルモン歴史学会」に出席し日本人で唯一発言の機会を持ったと言う。
実は、沼野はこの発表前に私に取材を求めて来た。私は沼野の研究姿勢には問題があると思っており、取材は断るつもりであった。沼野が批判してていたモルモン研究者からも応じない方が良いとの助言を受けた。 それは、沼野に話すことは都合よく歪曲され、利用されることは必至であるからである。それは私も分かっていたが、結局、私は取材に応じることにした。ただし、私は沼野の「聞きたいこと」には極力応じぬようにし、返って沼野のモルモン教に対する姿勢、モルモンの歴史についての姿勢についてこちらから問うように勤めた。そして、沼野が取材結果をゆがめている事実が出た時には、厳しく指摘することにしていた。 取材中、予想されたことではあったが、彼は既にモルモン信仰を喪失していること、知恵の言葉などのモルモン戒律を破っていることがはっきりした。しかし、彼はなおもモルモンにとどまると言う。「(無邪気に)信じている人間の信仰を事実を伝えて踏みにじれない」と沼野は言った。そのためモルモンの問題点について今後もヒントを与え続けて生きるとも言った。 しかし、これは口先だけのことだったと私は沼野の今回のモルモン歴史学会の記事を見て思う。沼野は記事でどう言っているか。彼のブログから引用する。なお沼野の記事はこちらでも読める。 *-*-*-*-*-*-*-* 最近は収束(?) 最近数年は、上記のようなサイトの性格が、インターネット利用の教会員に衆知されたためか、従来の反モルモン的文書に対するのと同様、当初のような著しい動揺や教会離反の話は聞かれなくなっているようである。ただ、インターネットの検索で上記のようなサイトを目にする人はその後もあると思われる。また、学究的モルモン史の知識を得ても、宗教実践・教会生活と教会史とを分けて受けとめ、教会に留まる人が出始めている。 *-*-*-*-*-*-*-* 沼野はやはり私から聞いたことは一切触れず、自分の都合の良い話しだけをしている。といっても、私からは多くの情報が取れなかったというのが本当なのだ。実際のとことは、モルモンからの脱会者は日ごと増加し、脱会者への賛同も増加している。むしろ終息しつつあるのは日本のモルモン教の方である。沼野はこの学会で自分の希望的空想を述べたに過ぎないのだ。 そこまでして、信仰もないモルモン教をかばう姿に私は滑稽さを超えて恐怖を感じる。マインド・コントロールの恐ろしさである。 ところで、「モルモン史の知識を得ても、宗教実践・教会生活と教会史とを分けて受けとめ、教会に留まる人」について、私は「事実を知ってもなおモルモンでいるのは、マインド・コントロールの所以である」と明言している。「所詮、カルト宗教に歴史はない。歴史学を語ることは出来ない」とも言った。沼野は答えなかった。答えられなかった。 沼野を含めてモルモン教徒のほとんどがいつもそうであるが、こうした本質に入る議論では思考が停止する。巧みに回避して、思考が臨界点に来ないようにする。 先に述べたモルモン研究者が沼野についてこう語った。「沼野は日本のモルモン教徒としてのモルモン研究者の立場がほしいのだ」と。的を射て余りあると思う。沼野は既にモルモンの本流から離れ、モルモンヒエラルキーでの出世は絶望である。そんな沼野にとって日本人モルモン唯一の「モルモン研究者」というポジションは最後のプライドなのだ。そう考えてくると、沼野が信じてもいないモルモン教に執着する理由、他の研究者にヒステリックになる理由が見えてくる。 私たちにとっても沼野治郎と言うモルモン教徒はカルト被害者を考える上で非常に興味深い事例でもある。
by garyoan
| 2005-01-30 07:09
| モルモン教
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